Gallery Wanderlust




29日(金)

「2001両洋の眼展」 日本橋三越本店7階ギャラリー




タイトルが示すとおり日本画と西洋画がバランスよくかつ違和感なく展示されており、現在の画家の創作上の方向性みたいなものが、おおまかに把握できるような構成になっていて楽しめた。

様々なスタイルと技法を試みている作品が居並ぶ中、島田章三氏の作品は「これぞ油絵」というか、その貫禄に惹きつけらてしまった。
オーソドックスな作風のなかも色彩と配置、なにげなく切り取ったキャンバスの切れ端にしても、それをどこにそれを貼るか、すべてが計算し尽くされていて画面からビシバシ、パワーと風格を感じる反面、大先生の作品なのに不思議と親しみやすさが伝わってきた。
あと、中国の作家で陳文光氏の日本画による抽象画作品は、少しクリムトみたいであったが、微妙な色使いが素晴らしかった。

恥ずかしながらこのような企画展が毎年行われているとは知らなかったが、日本の「絵画の今」が窺える展覧会として次回からも楽しみだ。








2月20日(火)

「トゥールズ・ロートレック展」 〜東武美術館〜



この「トゥールズ・ロートレック展」を最後に東武美術館が閉館した。
昨年のセゾンミュージアムに続いて昨今の百貨店経営の厳しさが窺えるような現実である。
池袋はモダンアート&デザインの西武に対して、古典絵画&印象派の東武みたいなイメージでバランスがとれていて楽しかったのだが、池袋モンパルナスの灯が消えてしまった感じがする…。

ロートレックはデッサンの達人であることは誰もが認めることだが、圧巻は晩年アルコール中毒による衰弱で入院していた時、想像だけで描いた馬やサーカスのデッサンだ。日本画家がスケッチを繰り返すことにより、花や鳥を見なくてもその特徴をとらえる
ことのできる技術を身に付けていくように、ロートレックにとって「馬」というモチーフは彼の創作上の原点であったように思う。
それは、息子と一緒に狩猟に出かけることが唯一の楽しみだった父への複雑な思いとコンプレックスが終生彼の心の片隅に居座り続けたと同時に、「馬」で培われたデッサン力は後の彼のライフワークになる「踊り子」や「娼婦」といったモチーフで昇華される

コンプレックスという「負」の産物が、時に創作におけるものすごいパワーの源になることをあらためて実感した展覧会であった。